近畿地方整備局研究発表会にて奨励賞を受賞しました

  • 表彰

平成21年度近畿地方整備局研究発表会において当社技術本部の土井和之が研究発表を行い,調査・計画・設計部門I において奨励賞を受賞しましたので,本発表の概要等について報告いたします。

表彰状

発表課題

「維持管理で発生する木本草本廃棄材のバイオマス利用について」

発表者

内外エンジニアリング株式会社 技術本部 土井 和之

発表概要

河川や道路の維持管理コストの継続的縮減が求められるなかで,一級河川や国道,国営公園では刈草,伐採樹木,樹木の剪定枝葉が大量に発生し,これらを処分するのに多くの費用を要している。
通常,刈草や剪定枝は,制度の制約等から委託焼却や無償提供が一般的であり,また堆肥化により製造した堆肥は需要を重視しないために利用されないケースもみられる。
しかし,刈草・剪定枝は地域のバイオマスとして利用することが可能であり,混合利用によってメリットは大きくなる。
本研究は,河川敷地における刈草,伐採樹木,剪定枝葉(以下「河川管理草木」と称する)を廃棄から循環資源への転換を図り,低炭素社会構築に貢献することを目的に,河川が生み出すバイオマス資源を利活用するため,他のバイオマスとの混合や資源化製品の需要に配慮した適切な手法の検討と,地域システムとして地域に与える影響について総合的,多角的な評価を試みるものである。
本研究では,別途研究で共同開発(京都大学,農村工学研究所,立命館大学,内外エンジニアリング株式会社)された「バイオマス総合利活用評価モデル」を用いて河川管理草木のバイオマス利用が河川管理へ貢献できる可能性を検討した。
河川管理草木を地域のバイオマスと混合してエネルギー利用する方法についてケーススタディを行った結果,処理費用は,設備費の償却を考慮しても現状よりも安価となり,貯蔵せずに利用できることが明らかとなった。また,地域のバイオマス利用の中で,比較的重要な位置を占めることも判明した。ただし,分散したエネルギー化施設への資源配分について,定常的に発生する資源と河川管理草木の比率を調節できるようなネットワークの構築が必要である。

[開催概要]

平成21年度近畿地方整備局研究発表会

■開 催 日
平成21年7月9日,10日

■会 場
大阪合同庁舎1号館 第1別館